こんにちは。現役インフォプレナーのジルです。
これまでのFX考察は以下からご覧ください。
※本記事に記載しているのは、あくまで私が行ってきたFX戦略の「一部」であり、「一つの考え方」になっていますので、あくまで参考のためにご参照ください。なお、当情報の影響で万が一あなたの投資活動で損害が発生したとしても、一切責任は負いかねることをご了承ください。
実践相場で勝つ知恵とテクニック
現在の市場状況をイメージする
前日までのチャートとニュースを活用する
まずはチャートを見て相場のイメージを行います。
チャートの5分足で前日の流れを確認しましょう。
そして同時に、その時間帯にリリースされたニュースと経済指標を確認します。
どのようなニュースやどのような動きが起こっていたのかを把握し、そして現在の市場がどのように発展しているのかを想像するわけです。
こうすることで、数時間ごとのトレンドの傾向が確認できるはずです。
そこからさらに1時間足を見て、前日の動きと週の流れを比較すれば、ここ数日間のトレンドの動きを見ることができます。
デイトレードでは、この動きを把握するだけで市場に参入する事が可能になります。
スイングまたはポジショントレーダーである場合は、ここからさらに日足のチャートを見て、月ごとのトレンドと流れを把握しながら市場に参入しましょう。
そうすることで、短期、中期、長期の市場の偏りをイメージするのです。
実際のイメージ例
たとえばニューヨークの時間帯に、予想以上に悪い米国の経済データが発表された影響でドルが急落したとしましょう。
急落する前にドルが買われていたとすれば、そのドルロングを解消する投げ売りによる下落でドルショートを作る下落ではないため、それほどドルショートができていないと判断されます。
もし、この下落がドルショートを作るものであれば、下落後に上昇に転じるとみます。
しかし、中長期チャートからは上昇トレンドの天井に近いため、全体的なポジションはドルロングに偏っていると結論付けることができます。
ここからのイメージは中期的なドル下落トレンドに入る前の動きの過程と考えて、じっくりと待って短期筋がドルを買い上げたところでドル売りから入ることにします。
同時に、どのレベルで利確を入れるかなど、波の動きをイメージするようにします。
一方、もしここから売って、下落せずにさらに上昇する場合もイメージしておけば、どこで損切りするべきかも事前に決定することが出来ます。
このように市場のイメージを持つ事で市場の流れを見ることができ、同時に現在の全体的な市場ポジションの偏りなどを把握することができるのです。
結末をイメージして長期シナリオを考えておく
長期シナリオをつくる例
例えば、国の金利は金融危機後の大幅な利下げにより、2008年2月以来、FF金利は超低金利状態が続いています。
この低金利政策は異例であり、FRBがいずれこの金融緩和策を解除することは間違いないと予想します。
それが1年後になるか2年後になるかは、それほど重要ではありません。
FRBがいずれ緩和策を解除し、それと同時にドル安政策を転換することになるというシナリオをつくります。
解除の時期は、労働市場が明らかに回復したと判断した時点で、異例な低金利政策を解除し引き締め政策に転換すると考えます。
それまでは、現在の異例な緩和政策と同時に、ドル安を容認するだろうというシナリオです。
そのシナリオが正しいとすれば、当面の間ドルの上昇は抑えられるはずです。
もちろんユーロや円など通貨毎にその度合いは異なるものですが、ドル円で見るとそのシナリオは結果的に当たっていることになります。
それを確かめるにはドルインデックスを見ると一目瞭然です。
ドルインデックスとは他の主要通貨に対して米ドルの総合的な価値を示す指標で、このチャートを見ると最安値のレベルに近づいていることから、ドル円だけが安いということではないということがわかります。
作ったシナリオは修正を前提とする
もし、途中でシナリオと異なりドル円が上昇に転じるとすれば、シナリオを修正していくようにします。
例えば、日本の大震災によりドル円のシナリオに変化が生じたとみれば、その動きがどのくらいの期間続くのかを考えます。
もし日本が震災から完全に立ち直りを見せたら、その時が再び元のシナリオに戻す時、というシナリオを描くこともできます。
あるいは、震災後の円高に対する同情的な協調介入は一度だけで、次にドル円が下落した時には介入が入らないとなれば、ドル安のシナリオは継続とみなします。
このように、あらかじめ結果を想定した長期的なシナリオをまず用意しておくことで、今現在の相場動向を見ていくようにすると、相場がより読みやすくなります。
そして、途中でそのシナリオが違っているようであれば、結果自体の予想が間違っていたということから、再度結果の修正を行います。
自分のシナリオに固執し過ぎると修正がきかなくなってしまいますので、最初から修正を行うことを前提にシナリオをつくるようにします。
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クロス円は3つ巴の通貨分析で攻略する
ドルストレートとクロス円の違い
通貨ペアの関係性を見る上でまず知っておかなければならないのは、クロス円の為替レートの出し方です。
例えばドル円やユーロドルといったドルストレート(ドルとの通貨ペア)と違い、豪ドルやユーロ円、スイス円といったクロス円のペアは、円と直接ではなくドルを介して取引されます。
例えば、掛け算通貨と言われる豪ドル円は、豪ドル/ドルとドル円を掛けて、また割り算通貨と言われるスイス円は、ドル円をドルスイスで割ってレートが決まります。
その関係で、例えば豪ドル円が下落している場合、
2:豪ドル/ドルが下落している
3:その両方が下落している
と3つの要因が考えられることになります。
そこで、豪ドル円だけでなく、豪ドル/ドルとドル円の実勢レートとチャートを見て、豪ドル円を下落させているのはこのうちどの要因なのかを見極めることが、まずは通貨の関係性を見る第一歩となります。
クロス円を動かしている通貨を探す
例えば、もしユーロの金利が切り上がるとすれば、通常ユーロは対円で上昇することになります。
同時に、もし円の金利も同じ幅で切り上がるとすれば、ユーロの買いと円の買いの双方が引き合うため、理論上動きは殆どなくなります。
このように、2つの通貨同士のそれぞれの要因で為替レートは基本的に動きます。
しかし、それだけでは為替レートというのは成り立たないのが為替市場の奥深さとも言えます。
豪ドル円を例に考えてみる
例えば、高金利の豪ドルが今後も利上げ期待が高まるような時には、日本からの豪ドルの買いは更に強まります。
一方、豪州国内が台風や干ばつなどの災害に見舞われたからといって、豪ドルの値動きはそれほど変化がみられることはありません。
その理由は、豪ドルの主な動きの要因は国内の金融政策以外、殆どが海外からの影響によるものだからです。
したがって、日本の投資家はそのような一時的な豪ドルの売り材料では豪ドルとの金利差が変わらないとみて、豪ドル円の売りに動くことは滅多にありません。
豪ドルは災害など国内要因があっても、米ドルやNZドルに対しては一時的に下落したものの、円に対する売りが殆ど出ないことから、豪ドル円の下落は穏やかなものになります。
同時に、ドル円も豪ドルの下落の影響を殆ど受けることはありません。
それは、この時の相場の主役は豪ドル/ドルであり豪ドル円ではないということが、このような動きのパターンを作ります。
一方で、世界的な景気後退懸念によって、世界的にリスク回避の動きが強まる時などは、先ほどとは為替の動きが全く異なってきます。
日本の個人投資家などはリスク回避のため、円キャリー取引の巻き戻しを活発に行おうとします。
特に金利差のあった豪ドル円などのロングの投げが強まることになります。
同時にドル円や豪ドル/ドルも下落することになるため、この時の主役は豪ドル円ということになります。
さて、結果的にこの動きがユーロ円の売りにつながることになりますが、それはこの後說明します。
流動性の違いが起こす影響
日本とオーストラリアとでは、日本の方が経済規模がずっと大きいことから為替市場でも流動性の違いが生じます。
また、日本には余剰資金が潤沢にあり長期的な低金利時代が続いたことから、金利差のある安定した国の通貨にはまとまったマネーが流れやすく、そのため豪ドル円の流動性は非常に高くなります。
したがって、豪州自体の事情などで豪ドルが一時的に下落する時にはドル円に対してそれほど影響を及ぼしませんが、豪ドル円の売り自体が強まる時にはドル円や豪ドルへの影響は大きなものになります。
この時の主役は豪ドル円ということになります。
もし、米ドルが上昇したことで豪ドルが下落したとしても、同時にドル円でも上昇しドルの力が相殺されてしまうため、豪ドル円は殆ど動きがなくなります。
この時の主役は米ドルということになります。
変動した米ドルが別の通貨ペアに及ぼす影響
この時のドル円の下落は、ユーロ円の動きにも影響を及ぼすことになります。
豪ドル円が下落したことでドル円が下落し、結果的にユーロ円でも売りが強まる要因になります。
先ほども書いたように、ユーロや円の材料ではなく他の通貨、この時は豪ドル円の下落がユーロ円に間接的に影響を及ぼすことになります。
ドル円の下落がユーロ円の下落を押し下げる傾向がみられます。
この時ユーロドルにとってはドル円の影響をそれほど大きく受けません。
それはユーロ円取引というのは日本経済の方が主導するためです。
また、ユーロドルの方がドル円よりも流動性が高いということが影響します。
したがって、ユーロドルが下落してもドル円に対する影響はそれほどありませんが、ユーロ円に対しては強い影響を与えることになります。
そこはユーロと豪ドルが違うところです。
長期的にはドル円とユーロ円の動きは相関関係が強くなりますが、特に短期的な動きにその特徴が多くみられます。
ユーロ円は短期的な取引が多く、ドル円やユーロドルに影響を及ぼしやすくなります。
特に、アジア市場から欧州市場にかけての時間帯がユーロ円の動きが活発になるため、ドル円とユーロドル、そしてユーロ円の関係は流動性が瞬間的に高まることからこの傾向は顕著にみられます。
クロス円はドルを含めた3通貨の中で、誰が主役を演じているのかを見つけることで勝負は決まると言っても良いでしょう。
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さて、本日はここまでです。
続きは次回にさせて頂きます。
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現役インフォプレナー「Jill」
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