FXの考察 vol.18 ‐ 相場の敗退者にならないためには? PART.2

↳実践的な考察

こんにちは。現役インフォプレナーのジルです。

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※本記事に記載しているのは、あくまで私が行ってきたFX戦略の「一部」であり、「一つの考え方」になっていますので、あくまで参考のためにご参照ください。なお、当情報の影響で万が一あなたの投資活動で損害が発生したとしても、一切責任は負いかねることをご了承ください。

相場の敗退者にならないためには?

利確を遠くに置き、損切りは近くに置く

人間は本能として「損失回避行動」を持っていますが、実はその状態のまま投資に取り組めば「損大利小」に陥ることがあります。投資に勝つためには、意識して「損小利大」を実践しなければなりません。

取引をしている中でなかなか損切りが出来ないのは、いわゆる損失回避行動によるものです。

その理由は、ダニエル・カーネマンのプロスペクト理論によると、人間には「損失を避けたい」という心理が常に働いており、100万円の利益の喜びよりも100万の損失に対する痛みの方が大きい傾向にあるからだと言われています。

そこで、次の有名な質問に答えてみてください。

【質問1】あなたは次のうちどれを選択しますか?
【A】100%確実に700万円が手に入る
【B】70%の確率で1,000万円が手に入る
【質問2】あなたは次のうちどれを選択しますか?
【A】100%確実に700万円を損する
【B】70%の確率で1,000万円を損するものの、30%の確率で損失は避けられる

おそらく、多くの人が質問1でAを選択し、質問2でBを選択していると思います。

言い換えれば、利益について尋ねられたときは間違いなくお金が手に入るAを選択し、損失について尋ねられたときは損失が確定するのを避けたいが為に、損失を免れる可能性があるBに賭ける人が多いのです。

ですが実際には、質問1のAとB、および質問2のAとBの両方の期待値はすべて700万円であり、確率的に言えばすべては同じになっています。

しかしながら、多くの人が上記の選択を行います。

そしてこれは、実際の投資に対しても同じことをしてしまうのです。

要するに、人間は一定の利益を確保したいと思う傍らで、リスクを避けたいとも常に考えており、もし損失が出ない望みがあるならそれに賭けてみようと行動するわけです。

この損失回避行動は人間の性質上自然な事ですが、投資において最も避けなければならない(やってはいけない)行動の1つでもあります。

これらの行動パターンは、投資で勝つための大きな原則である「損小利大」に反する結果を招いてしまうからです。

「損小利大」とは文字通り、損失を減らして利益を増やすということで、投資で勝ち抜くための重要な原則となります。

しかし、これを忠実に行える人はほとんどいません。

実際、レバレッジを活用した場合に増大するリスクを軽減し限定するためにはロスカットが重要である中で、投資を行っている人たちは「10万円の含み損が出ているが、このまま保有していて良いのだろうか」「仕込んだ時から相場は下がっているが、また戻ってくるのだろうか」といった事を考えています。

どのレベルで損切りをするか、どのくらいの相場変動を想定するかは、レバレッジの掛け方や資金の量、どのくらいのスパンでのトレードを想定しているのかに依存しますので、一概に決定することはできません。

ただし、たとえば100万円の資金に基づいて2~5倍のレバレッジで中短期のスイングトレードを行っている場合は、ドル円レートが2円下がる前に損切りをしておくべきですし、20万円の含み損を出す前に手仕舞いしておくべきだと言えます。

でも実際は損失が発生すると、人は「ここまで落ちたのだから、そろそろ反発するはずだろう」、または「このまま持ち続ければいつかは元に戻り、元の価格に戻るだろう」と考え、なかなか損切りを出すことが出来ないわけです。

そしてその考えを正当化する根拠を探しだすのです。

要は「追認バイアス」に肩まで浸かってしまい、本人はそれにまったく気が付かないのです。

※追認バイアスとは?
追認(ついにん)バイアスとは、「自分に都合の良い情報だけを集め、自分に都合の悪い情報を排除する心理」です。追認バイアスにかかると、自分に都合の良い情報だけにしか目がいかない状況となり、冷静な判断ができなくなります。

この状況は、ヒューリスティックシミュレーションで説明できます。

ヒューリスティックシミュレーションとは、人間の性質上陥りやすい思考パターンのことで、「自分に都合がよい方向でシミュレートしてしまう傾向」を指します。

たとえばドルを売っている状況でドル高になり含み損が出ている際は、「米国の貿易赤字を考えると、ドル高がこれ以上進むことないだろう」とか「他の経済指標から考えればここからドル安に転じるはずだ」などと考え、現在のドル高がこれ以上進まない理由を見つけて現在の状況を正当化しようとする傾向の事です。

ですが実際の市場では、いつでもドル高、ドル安になる可能性や要因が数多くあります。

だからこそ人は不利な状況に追い込まれたときに、後づけの解説を加えるアナリストのように現状を説明したり、自分の都合のよい結論を導きだす論理を作ってしまうわけです。

こうした追認バイアスは誰でも陥りがちですが、とりわけ頭の良い人ほど陥りやすい落とし穴といえます。

そして最も始末が悪いのは、本人がそれを自覚していなかったり、それとなく自覚しているのに、意識的に眼をつぶろうとすることにあります。

それを避けるためには、合理的な判断によって「これ以上は容認すべきではない」とあらかじめ想定した一定の額の損失が出たら、機械的にロスカットを行なうことです。

そのためには、逆指値注文を前もって出しておくのが良いでしょう。

これにより、人間の性に逆らうというきわめてむずかしい課題に対して、簡単かつ非常に有効に対応できます。

もちろん、何でもかんでも損切りすればいいというわけではありません。

損切りはあくまで、「仕掛けに対して合理的な理由がある水準」で行なうことが大切です。

損切りの重要性が喧伝されるあまり、単に「含み損は気持ちわるい」とか「なんとなく嫌な感じがする」で行なって“損切り貧乏”になっている人もよく見かけます。

そうではなく、どういう理由により、いつ、どれぐらいの水準になったら、このトレードは損切る、場合によってはドテンする(逆方向のトレードに転じる)という自分なりのシナリオをもたなければなりません。

そして、それを必ず守らなければなりません。

逆にいえば、そうしたシナリオを描けないうちは、仕掛けてはならないのです。

次に、損小利大のもう一つの重要な要素である「利大」について考えてみましょう。

1ドル100円で10万ドル買い、1ドル105円になった場合、みなさんはどうするでしょうか。

すでに、50万円も利益が出ているわけですから、普通の人は早くその利益を確定し、確実なものにしたいと考えます。

つまり、1ドル103円になって利益が20万円減ってしまうことを恐れるのです。

しかし、こうした局面での合理的な行動は、まださまざまなトレンド系の指標が上昇のサインを出し続けているなら、ドルを売らずにもち続ける、あるいはトレーリング・ストップなどによって買いのスタンスを持ち続け、利益を追求することです(一度利確した場合、トレンドが変わらない水準でのリバースポイントで再び買うことができればベストですが、そこまでの押し目とならない場合には、新高値を買うケースもあるでしょう)。

もちろん、現在の1ドル105円が天井で、ドル安に転ずることがあるかもしれません。

そのときは104円で利益確定のトレーリング・ストップを入れておき、40万円の利益を確定すればいいのです。

大切なのは、10万円を儲け損なうことを惜しむのではなく、そのまま1ドル120円になるような大相場に進んだ場合に、大きな利益を獲得することを狙わなければならないということです。

相場の勝ち負けは「勝率」で決まるものではありません。

損失を限定し、利益を得られるチャンスは最大限に追求し、「トータルの利益額を増やす」ことこそが大切なのです。

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現役インフォプレナー「Jill」の考察

実際に稼ぎ続けているトレーダーの投資手法では、どんなに少なく見積もっても仕掛けの段階での成功率は60%以上あると思いますが、手仕舞いまでの流れによって勝率は変わっていると言えます。

しかし、極論すれば勝率は2割でも、損小利大を守っていれば利益は十分に出る可能性があるのです。

こうして考えてくると、あらかじめ利益目標を決めるようなやり方、たとえば1円で必ず利確して、しかも逆の場合は損切りしない(スワップポイントで含み損が埋まるのを待つ)といったものは、投資で勝つためのロジックとして合理的でないことだと気付くでしょ
う。

それでも大局的にみて相場が上昇しているあいだは、下げる局面があっても結果としてレートは戻ってきていますから、相当な勝率を残すことができているかもしれません。

ただし、利益の額は限定的であるうえに、大局的な相場観がズレた場合には、破産する可能性が高いことは間違いありません。

また、高金利通貨ならばスワップがつくことによって含み損は埋まる、あるいは長期間もっていれば損益分岐点が下がるから大丈夫といった理屈も、先々の金利動向は不確実なものである以上、砂上の楼閣的な考え方であることはいうまでもありません。

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現役インフォプレナー「Jill」の考察

さて、本日はここまでです。
続きは次回にさせて頂きます。

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現役インフォプレナー「Jill」

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